運動機能の改善事例
「歩行の再生」科学的根拠に基づいたカイフクの記録
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「もう一度、自分の足で行きたい場所へ」
その願いを叶えるために、カイフクデイサービスでは感覚に頼らない、科学的根拠に基づいたトレーニングを実践しています。
私たちが評価指標として導入している「TUG*(Timed Up and Go)テスト」は、歩行能力や転倒リスクを客観的に判定する世界的に標準化されたテストです。
3ヶ月ごとの定期測定で身体の変化を「見える化」し、専門職がプログラムを精密にアップデートすることで、驚くべき改善を遂げられています。
ここでは、単なる数値の向上に留まらず、人生の質(QOL)そのものを変えた改善事例をご紹介します。
※TUG評価テスト:背筋を伸ばし、椅子に深く座った状態から、3m先の目印で折り返し、もとの座った姿勢に戻るタイムを測る評価方法。(13.5秒以上で転倒リスクありとされている)
Case 01:再びご近所を散歩。不安を自信に変えた400mの歩行実績
TUG評価テスト
34.3秒(利用開始時)
12.8秒(3ヵ月後)
科学的根拠に基づく改善の取り組みとポイント
| 対象者 | 94歳 女性(要支援2/廃用症候群・左股関節人工置換術施行) |
|---|---|
| 課題 | 手術後の筋力低下により、屋外歩行に不安があり外出機会が減少。 |
| 取り組み | (週2回利用)パワーリハビリによる不活動筋と神経の再活動化 。その後、実生活を想定した屋外歩行練習を重点的に実施。 |
| TUG測定 | 34.3秒 (利用開始時) → 12.8秒 (3ヵ月後) |
| 屋外歩行 | 50m(利用開始時) → 400m(3ヵ月後) |
| 要点 | トレーニングマシンによる低負荷反復運動で全身の神経筋群を再活動化し 、屋外歩行練習を徹底。体力・持久力が向上し、近隣への外出が可能になりました。 |
- 変化した”暮らし”とポイント
- マシントレーニングで土台となる体力を底上げし、並行して屋外歩行の実践を繰り返したことで、持久力が飛躍的に向上しました。 数値の改善だけでなく、「近所の散歩が一人で行けるようになった」という自信が、ご本人の生き生きとした笑顔に繋がった事例です。
Case 02:100mから1km歩行への到達。スモールステップで広げた活動範囲
TUG評価テスト
19.2秒(利用開始時)
11.9秒(6ヵ月後)
科学的根拠に基づく改善の取り組みとポイント
| 対象者 | 80歳 女性(要支援2/腰部脊柱管狭窄症・腰椎圧迫骨折) |
|---|---|
| 課題 | 骨折後の痛みと再受傷への恐怖心から、歩行距離が伸びず活動範囲が制限されていた。 |
| 取り組み | (週2回利用)パワーリハビリによる不活動筋・神経の再活動化。並行して、屋外歩行練習にて段階的に目標距離を延ばす負荷設定を実施。 |
| TUG測定 | 19.2秒 (利用開始時) → 11.9秒 (6ヵ月後) |
| 屋外歩行 | 100m(利用開始時) → 1,000m(6ヵ月後) |
| 要点 | トレーニングマシンによる低負荷反復運動で全身の神経筋群を再活動化した後、目標を小刻みに上げる「スモールステップ」の歩行練習を徹底。持久力向上と共に「まだ歩ける」という心理的自信を構築しました。 |
- 変化した”暮らし”とポイント
- 単なる筋力トレーニングに留まらず、歩行練習において「距離」という明確な目標を段階的にクリアしていったことが、身体・精神両面での大きな変化に繋がりました。 以前は100m先への移動も億劫でしたが、6ヶ月後には1,000m(1km)を歩ききる意欲と体力がついた。「遠くまで自分の足でいける」という喜びが、日々の生活における積極性を大きく引き出した事例です。
Case 03:長年守り続けたお店へ。歩行器を卒業して取り戻した日常
TUG評価テスト
56.3秒(利用開始時)
22.2秒(3ヵ月後)
19.1秒(6ヵ月後)
科学的根拠に基づく改善の取り組みとポイント
| 対象者 | 76歳 女性(要介護2/脊柱後側彎症) |
|---|---|
| 課題 | 背中の曲がり(側彎)によりバランス保持が困難で、ピックアップウォーカー(歩行器)なしでは数メートル歩くのもやっとの状態。長年守ってきた自店の経営も断念せざるを得なかった。 |
| 取り組み | (週2回利用)パワーリハビリにより姿勢を支える不活動筋と神経を再活動化。歩行能力の向上に合わせ、歩行器から独歩(一人歩き)へと段階的に移行する屋外練習を重点的に実施。 |
| TUG測定 | 56.3秒 (利用開始時) → 22.2秒 (3ヵ月後) → 19.1秒 (6ヵ月後) |
| 屋外歩行 | 50m(利用開始時) → 600m(6ヵ月後) |
| 要点 | 脊柱後側彎症特有のバランスの悪さを、マシンでのインナーマッスル強化と実地練習でカバー。3ヶ月でTUGが半分以下に短縮し、歩行補助具なしでの自立歩行を実現しました。 |
- 変化した”暮らし”とポイント
- 最大の成果は、身体機能の回復に留まらず、長年経営されてきたご自身の店舗で再び働くことが可能となり、生きがいや社会的役割を取り戻すことができた。数値の劇的な改善が、生きがいや社会的な繋がりというQOLの向上に直結した、非常に素晴らしい事例です。
Case 04: 90歳、再びグリーンへ。確かな歩行能力が叶えたゴルフ再開の夢
TUG評価テスト
16.2秒(利用開始時)
9.0秒(6ヵ月後)
起伏のあるグリーンの上でも安定した歩行と、力強いスイング
科学的根拠に基づく改善の取り組みとポイント
| 対象者 | 90歳 男性(要介護2/糖尿病・脳梗塞・右大腿骨骨折・膀胱腫瘍・尿道カテーテル留置) |
|---|---|
| 課題 | 重篤な疾患に加え、術後の筋力低下とカテーテル留置による身体的制限が重なり、外出そのものが困難に。かつての生きがいだったゴルフも一時は諦めていた。 |
| 取り組み | (週3回利用)パワーリハビリテーションにより不活動状態の筋肉と神経を徹底的に再活動化 。歩行能力の向上に合わせ、持久力強化にも取り組んだ。 |
| TUG測定 | 16.2秒 (利用開始時) → 9.0秒 (6ヵ月後) |
| 屋外歩行 | 50m(利用開始時) → 1,400m(6ヵ月後) |
| 要点 | 複雑な既往歴を考慮した科学的アプローチにより、90歳にして自立歩行の域を超えた身体能力を再構築。6ヶ月で1.4kmを歩き切る体力を獲得し、ゴルフができるレベルまで歩行機能を再生させました。 |
- 変化した”暮らし”とポイント
- 数値の改善が自信に繋がり、一時は諦めかけていたゴルフを再開することができました。 現在はカテーテルを留置しながらも、グリーンの上をしっかりと歩き、趣味の時間を楽しまれています。特別なことではなく、好きなことをあたりまえに続けられる日常を確かな数値が支えている事例です。
Case 05:バスに乗ってお仲間と外食へ。膝のゆがみを整えて取り戻した楽しみ
下肢アライメントの比較(O脚の改善)
利用開始時
12ヵ月後
科学的根拠に基づく改善の取り組みとポイント
| 対象者 | 91歳 女性(要支援2/右大腿骨内顆骨折・腰椎圧迫骨折) |
|---|---|
| 課題 | 骨折の影響による筋力低下と、膝が外側に開くO脚(内反膝)の進行により、歩行が不安定に。以前は楽しんでいたお仲間との外出も、移動への不安から控えがちになっていた。 |
| 取り組み | (週2回利用)パワーリハビリテーションにより、歩行を支える不活動筋と神経を再活動化 。膝関節周りのバランスを整え、安定した歩行フォームの定着と持久力の向上を重点的に実施。 |
| 要点 | 継続的なトレーニングにより、膝の歪み整い、O脚状態が大幅に改善。歩行スピードと安定性が向上した。 |
- 変化した”暮らし”とポイント
- 身体の変化が、再び外の世界へと踏み出す自信を後押ししました。 マシントレーニングで土台となる体力を底上げし、まっすぐ前を向いて歩けるようになったことで、「お仲間と一緒遠くへ行ける」という意欲が芽生えました。 現在はバスを利用し、ご近所の方々と外食を楽しまれるなど、移動の自由が暮らしの彩りを取り戻した事例です。
カイフクデイサービスの「改善」を支える3つの柱
不活動筋を呼び覚ます「パワーリハビリテーション」
カイフクデイサービスが採用しているのは、医療現場でも導入されている「パワーリハビリテーション」です。
一般的な筋力トレーニングとは異なり、「低負荷」で反復して運動を行うことで、加齢や病気により使われなくなった神経筋群を再活動化します。
心臓への負担も小さく、入浴よりも低リスクとされているため、高齢者の方でも「楽に」「安全に」取り組めるのが特徴です。
徹底した「数値化」によるPDCAサイクル
3ヶ月ごとの体力測定(TUG等)を実施し、その結果に基づいて運動プログラムを個別に見直します。
「計画→運動→測定→改善」のサイクルを繰り返すことで、姿勢の改善、歩行の安定、転倒予防、意欲の向上、うつ症状の改善といった効果が着実に現れ、生活の質(QOL)の向上につながっています。
「歩ける」を「自信」に変える屋外歩行練習
食事・入浴なしの3時間集中型プログラムを採用。
マシントレーニングに加え、実際の生活を想定した「屋外歩行練習」を重視しています。
その結果、施設内での数値改善だけでなく、ご自宅での歩行距離が大幅に向上。
外出や社会交流、趣味活動への意欲が高まり、日常生活そのものが変わる「行動変容」を実現しています。